樹木調査観察会に参加して。

野鳥の観察・調査やセミのぬけがら調査でお世話になっている高野丈さんの企画で、9日に林で樹木調査と観察会を行いました。自然観察指導員の方が4人も来てくださり、大変充実した内容でした。

まず、木の観察から始めました。同種の木の見分け方、ヤマザクラとイヌザクラ、イヌシデとアカシデ、サワラとヒノキや、コナラとクヌギを教わったり、いろいろな木を目で見たり、木肌を触ったり、葉っぱを観察したり、匂いをかいだり、葉っぱを食べたりして、五感をフルに活用して林の木を確認しました。1006246_468796819870596_139335335_n

簡単にですが、間違いやすい木の見分け方をご紹介します。
ヤマザクラ 木肌が黒っぽい。
イヌザクラ 木肌が白っぽい。葉がヤマザクラより細長い。
イヌシデ 木肌がはっきりとしたストライプ、葉柄や葉に毛が生えている。
アカシデ 木肌のストライプがぼやけ気味、葉が小さめで、葉先がすっとなっている、葉柄や葉に毛が無い。
サワラ 木穴線(葉の裏にある線)がHにみえる、葉がふさふさした感じ、触ると痛い。
ヒノキ 木穴線がYに見える。葉がうすい感じで、触っても痛くない。「ヒノキだY、H、サワラないで!」と駄洒落のように木穴線の形を覚える。
コナラ 木肌が横から見て片仮名のコの字のようになっており、やわらかい。葉の先が丸い感じ。
クヌギ 木肌が横から見てくの字のようにとがっているので触ると痛い。葉が長い。「コナラのコの字、クヌギのくの字」と覚える。

若い木と中年の木と老年の木と、同じ木でも様子が変わってきます。もちろん、植えられている場所によっても違います。個体差があるので、すぐにこの木はこれだ!と思ってもよく観ると違うことがあり、思い込みはいけないと何度も思いました。

「みんなのどんぐり林マップ」にもありますが、小さなオトシブミたちにも会いました! エゴノキには、エゴツルクビオトシブミとヒメクロオトシブミのゆりかご(落とし文)がいくつもぶら下がっていて、面白かったです。10665_468796823203929_1943901460_n

大きなイヌザクラの根元に、小さなエノキやヤツデやシュロ、アオキが生えていました。イヌザクラの木に止まって鳥が糞をし、糞の中の種から、芽が出る。木があり、鳥が来て、糞をする。生き物と植物のつながりが目に見えるようです。

ヤマザクラの葉の元には蜜腺があり、アリを呼ぶ。アリが木を巡回するので、他の害虫が来ないそうです。また、ヤマコウバシの葉はクスノキのようないい香りがして、防虫効果があるけれど、アオスジアゲハはヤマコウバシが大好きだとか。特定の木と昆虫の関係、共進化のお話も面白くうかがいました。

どんぐり林には、どんぐりの木がたくさんあります。日本には常緑樹と落葉樹のどんぐりの木が混在していて、種類も多く、外国ではそれが大変珍しく、「Oak(樫の木)の大国」と言われるほどだそうです。マテバシイやスダジイのどんぐりはとっても美味しいそうです。

そして、観察会の後は、調査をしました。林を遊歩道から東側をエリアに分けて、地図に一本づつナンバリングして書いていきます。そして、別のシートにその番号の木の名前を記しました。一日では終らず、また後日に調査をすることになりました。地道な作業です。998891_468796826537262_1869780838_n

私は、小さい頃から鷹の台で育っています。中央公園の前身、蚕糸研究所の跡地であった時は、イチョウ並木の間でいろいろな遊びをしていましたが、この林ではあまり遊んでいませんでした。大人になって、自分の子どもと一緒にプレーパークでこの林で遊ぶようになって、そして、様々な観察会に参加して、なんて豊かなところなんだろうとあらためて知ることができました。林があることで、防音、防風、防火、温度調節、水量調節、水質を良くすること、貯水、やヒーリング効果、様々な効果があること、、、。ちむくいたち(ちいさな、むしや、くさや、いきもの)の営みがずっと続いていること、土の中に居る様々ないのちにも思いをはせる一日となりました。失ってから気付くのでは遅いのです。

小平中央公園樹木調査観察会「雑木林の木々たちをしらべよう」

住民投票の嵐が激しすぎて、こちらのブログの更新がとどこおり、申し訳ありませんでした。

後から市長がつけた50%の成立要件を超えることができず、5万人以上の投票した市民の意思が確認されないまま封印されています。この件で、2つの署名運動を展開中です。まわりの方に広げていただけますよう、よろしくお願いします。

さて、井の頭バードリサーチの高野丈さんのご提案で、6月9日(日)に雑木林の樹木を調査します。毎木調査は一度やっていますが、伐採も行われていますので、現在どんな木が何本あるのか調べてみようと思います。

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小平中央公園 樹木調査観察会「雑木林の木々たちをしらべよう」

6月9日(日)
午前9:00~12:00
午後13:00~16:00
(両方参加可能、途中出入り自由)
集合午前8:45 午後12:45
集合場所:午前午後ともに小平中央公園(西武国分寺線鷹の台駅そば)雑木林の高台
地図
※自然観察指導員の黄緑色の腕章が目印です。
定員:各回30名
持ち物:筆記具、双眼鏡、ルーペ、図鑑(いずれもお持ちの方)、昼食(通しで参加の方)
※双眼鏡貸し出し希望の方は申込時にお申し出ください(ただし数に限りがあります)。

主催:どんぐりの会
協力・講師:NACOTの自然観察指導員有志(NACS-J自然観察指導員東京連絡会)

【申込み】6月8日(土)までに原則的にメールでjoe@birdimages.jpまで。メールを使えない方は090-7410-3984(高野)へ
申し込みのメールには、以下の内容を書いてください。
1.件名でも本文でも構いませんので、6月9日の樹木調査観察会に参加したいこと
2.氏名(フルネーム)
3.住所(都道府県市区まで 例:東京都小平市)
4.携帯電話の番号
5.参加希望の回(午前、午後、両方)
6.双眼鏡貸し出し希望・台数(台数に限りがありますので、ご希望に沿えない場合があります)
7.懇親会に参加を希望するかどうかをお願いします。

<ご案内>
都道3・2・8号線の整備によって破壊されてしまうかもしれない小平中央公園と隣接する玉川上水の雑木林。皆の憩いの場であり、遊び場であり、文化活動の場です。
そして何より、都心部でどんどん失われている身近な自然がかろうじて残されている環境です。

なぜ雑木林が大切なのかを具体的、科学的に確認したい……どんぐりの会では、NACS-J自然観察指導員東京連絡会の有志と一緒にこの数年、生物調査を実施してきました。
その結果、この雑木林は夏鳥や冬鳥が利用する自然環境であること、また、東京都のレッドデータで準絶滅危惧種に指定されているヒグラシが割合として多い林だということがわかっています。ヒグラシは自然度が高くなければ生きていけず、都市化と共に個体数が減少しています。

今回は雑木林の樹木を調査します。大切な雑木林にはどんな木が何本あるのでしょう。自然観察指導員が樹木の見分け方をレクチャーします。一緒に雑木林の木々をしらべ、ツリーウォッチングを楽しみながら、雑木林のことをもっと詳しく知りましょう。

小平中央公園の雑木林と道路予定地の玉川上水のすべての樹木を調べます。
初心者も大歓迎です。午前と午後に分けて開催しますが、通しで参加していただくのも大歓迎です。
観察会として、樹木の見分けかたをレクチャーし、どんな樹か知っていただきますが、長時間の調査になりますので、途中で離脱(飛び入り)するのは自由です。
通しで参加する方は昼食をご用意下さい。終わった後に懇親会を予定しています。