歩く。歩く中で少し足を止めて、感じる玉川上水の自然

どんぐりの会のシッポ+くすくすの木です。

9月の「月夜の幻燈会 オッベルと象」が終わったと思ったらすぐ!なのですが、どんぐりの会は、2009年度小平市市民学習奨励学級「大人だって知りたい!~生きもの博士と歩く玉川上水の自然」全5回(9月15日~12月1日)の企画・運営にかかりました。

第1回は、「歩いて感じる玉川上水の自然」と題して、鈴木忠司さん(玉川上水オープンギャラリー主宰)のお話です。
長年、玉川上水を歩き、「季節の区分をどうしたらいいのか」というテーマで悩んでいたら、 野草や鳥から、玉川上水の四季には24節気の暦が一番合うと教わった、という導入のお話がおもしろかったです(たとえば、ツグミは立夏の日を境に北へ飛び 立ってしまうそうですよ)。こうした長年の観察のもとにまとめた「玉川上水の四季」という手づくりの暦がすばらしくて、自分の目で直接見て、この暦を活用 できるようになったら、楽しいだろうなとワクワクしました。

バードウォッチングが好きなどんぐりの会のメンバーも、「単に、めずらしい鳥だな…くらいにしか思っていなかったものたちが何者かわかってきて、その季節になるとやって来 るのだとちょっぴりわかるようになると、世界が豊かになって、季節を感じる感じ方も、なんだか深くなるような気がします」と感想を寄せてくれました。まだ 目が開いたばかりの状態の私にとっては、遠い道のりです!

さて、「玉川上水の自然(歩くコース)」マップと「玉川上水・12本の木」という忠司さん手描きの資料を持って上水沿いへ出発! 歩きながら、時々木の下に立ち止まって、木や虫や鳥な どの多様なつながりあいを、具体例を示して話してくださいました。たとえば、ケヤキにガやチョウの幼虫がその年初めて大発生する時期は、シジュウカラなど が子育てする時期と重なっていて、ヒナたちはやわらかい幼虫をたくさん食べて育つそうです。ミズキの実は、夏の青いうちはムクドリが、秋にはメジロやヒヨ ドリが食べるというのも、教わってなんだか楽しくなりました。歩いている間に、3つの巣が連なった、コゲラのマンションのような枝も観察できて、歓声があ がりました(参加者のお一人、petit museeさんのブログにも楽しい報告あり)。

奨励学級 玉川上水沿いで

鈴木忠司さんのお話

奨励学級2

コゲラの巣、こちらは一世帯

私が印象に残ったのは…

「中央公園の雑木林は、4月15日~20日頃に通過するオオルリ、キビタキなどの夏鳥にとって、えさがあり、安心して休める大事な休息場所です。玉川上水があって、そこに接続した広い面積の緑、津田塾大学や中央公園があることが鳥にとってはとても大事なんですよ」

というお話。あの林は人間にとってもくつろぎの場ですが、遠い土地から飛んできた鳥たちがゆっくり一休みする場所でもあるんですね!

上水と保存林の隣接した所で、鈴木さんが「ここ、きもちいいでしょ?」とおっしゃいました。片側が民家である所と比べ、両側をみどりに囲まれると、ほんとに「きもちい~」。人間が気持ちいいということは、ほかの生きものにとっても気持ちいい。そんな簡単なことを再確認させられました。

鈴木忠司さんの玉川上水オープンギャラリーは、鷹の台駅から玉川上水沿いのグリーンロードを歩くと、水車通り手前のカフェの前に あります。玉川上水や生きものの美しい写真が、季節に合わせて展示されています。どうぞみなさん足をお運びください。鈴木さんは日曜日にオー プンギャラリーにいらっしゃることが多く、直接お話も聞けますよ。

なお、以前のブログでもお知らせしましたが、この連続講座「大人だって知りたい!~生きもの博士と歩く玉川上水の自然」は申込制で、ありがたいことに募集人数30人を超える方が申し込んでくださり、申し込みは締め切っております。参加できなかった方のためにも、またブログでご報告できたらと思っております。