2015年セミの抜け殻調査

2015年のセミの抜け殻調査については、2015年セミのぬけがら調査結果で報告していますが、高野丈さんがまとめてくださった報告をアップします。

調査報告書小平中央公園2015-2.xls

調査の様子は、8月15日のセミのぬけがら調査と羽化の観察会の報告(写真)をご覧ください。

 

2月3日 樹木調査観察会

1月31日(土)に予定していた樹木調査観察会を天候のため延期し、急遽、本日行いました。

午後1時頃からどんぐり林の道路予定地に埋め込まれた境界標をたどり、わからないところは計測して、予定地を把握しました。林の中には、思っていたよりも多くの赤い四角の境界標が埋め込まれていました。

午後2時から4時半頃まで、自然観察指導員の小口治男さんのご指導で、道路予定地の樹木の調査を行いました。開始時には、一日で調査を終えることはとても難しいと思われましたが、この林の木々は鳥たちが運んできたものが多く、調査の間にメインの樹種については大体見当がつくようになり、後半はスピードアップしました。

一本一本木を調べ、調べた木にひもを巻き付け、あとから外していきました。どんぐり林の道路予定地をくまなく歩き回り、木々に抱きついてまわった調査でした。
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調査のはじまる前、どんぐり林にはアカゲラが姿を見せました。調査中には、モズが「なにやってんの?」と言いたげにのぞいていました。

葉のない時期の面倒な調査を引き受けてくださった小口さんに感謝します!

白銀の冬鳥調査

2月9日(日)は冬鳥調査の日でした。都知事選の日でもあり、この大雪で投票率が気になるコダイラーとしては、大変気が重い日でした。でも、この調査観察会に参加して、心の平安を保つことができました! 自然観察指導員の高野さん、大出水さんありがとうございました。

初めは常連のシジュウカラやハシブトガラス、ドバト、ヒヨドリ達にしか、今日は会えないのかな?と思いましたが、なんとなんと15種類位の鳥たちに出会うことができました。下の写真は林の中で、カワラヒワの群れを観ているところです。

鳥観林

いつもながら、高野さんの「今、○○の声がした」「あそこに○○がいる」という観察力には本当に驚きます。毎日井の頭で観察している達人です。毎回参加していても、なかなか鳥の鳴き声で判断できなかったり、双眼鏡も上手く使えないことが多いのですが、やっと、「あそこ!」と言われたところに双眼鏡が向けられ、鳥の姿を確認できるようになってきました。

シジュウカラやメジロ、エナガの混群に出会えて、エナガのかわいらしかったこと! 薄いもも色の毛がふわっとしていて、愛らしかったです! 観察の帰り道、高野さんがエナガの悲鳴がする方向を教えてくれると、玉川上水の樹冠からオオタカがひらっと西へ飛翔してゆきました。

白銀の中、お天道様が暖かく、今回初のビンズイ、モズ、ジョウビタキ、オオタカに出会え、大満足の調査観察会になりました。商店街のポスターを見てこの会に初めて参加して下さった方もいらして、大変嬉しかったです。みなさん、どうぞお気軽に次回の夏鳥調査観察会にいらして下さい。身近な自然の豊かさを知り、心が温まる日になりました。

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(写真:高野 丈)

ヒグラシの森でセミのぬけがら調査

夏の5日間連続プレーパーク「森で遊ぼう!」開催中の林で、今年2回目のセミのぬけがら調査を行いました。

一人の自然観察指導員さんが「これだけ雑木林を活用しているところはないんじゃないか」とおっしゃったのですが、この日は、まさにこの林が持つさまざまな楽しさ、機能をいっぺんに広げて見せたたように、にぎやかでした。都の職員の方たちにも、こういう日の林に実際に来ていただきたい、この場所が失われることの意味を体感していただきたいと感じます。自然観察指導員で写真家の高野丈さんが、観察会の合間に撮影してくださった写真をご覧ください。
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集めたセミのぬけがらを仕分け中。アブラゼミかミンミンゼミかヒグラシかツクツクボウシかニイニイゼミか(クマゼミはなし)。そして、オスかメスかを見分けて、自然観察指導員さんにチェックしてもらいます。4つのゾーンにわけて、数を記録しました。向こうのほうには、プレーパークのテントと滑車ロープの台(ハンモックも)が写っています。

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上の2枚の写真は、3つの空間を同時に写しています。手前はセミのぬけがら調査、右上はライブ(終了後かな?)、左上はプレイパークのハイジブランコと4階立ての砦です。ドロケイやチャンバラの子どもたち(大人たちも)も駆け巡っていました。夕暮れの林では、ヒグラシが合唱していました。
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夜になって、セミの羽化を観察しているところ。懐中電灯を持って、羽化の観察がてらナイトハイクも楽しいですよ!

長時間の調査をご案内くださった自然観察指導員のみなさま、参加者のみなさま、ありがとうございました。

樹木調査観察会に参加して。

野鳥の観察・調査やセミのぬけがら調査でお世話になっている高野丈さんの企画で、9日に林で樹木調査と観察会を行いました。自然観察指導員の方が4人も来てくださり、大変充実した内容でした。

まず、木の観察から始めました。同種の木の見分け方、ヤマザクラとイヌザクラ、イヌシデとアカシデ、サワラとヒノキや、コナラとクヌギを教わったり、いろいろな木を目で見たり、木肌を触ったり、葉っぱを観察したり、匂いをかいだり、葉っぱを食べたりして、五感をフルに活用して林の木を確認しました。1006246_468796819870596_139335335_n

簡単にですが、間違いやすい木の見分け方をご紹介します。
ヤマザクラ 木肌が黒っぽい。
イヌザクラ 木肌が白っぽい。葉がヤマザクラより細長い。
イヌシデ 木肌がはっきりとしたストライプ、葉柄や葉に毛が生えている。
アカシデ 木肌のストライプがぼやけ気味、葉が小さめで、葉先がすっとなっている、葉柄や葉に毛が無い。
サワラ 木穴線(葉の裏にある線)がHにみえる、葉がふさふさした感じ、触ると痛い。
ヒノキ 木穴線がYに見える。葉がうすい感じで、触っても痛くない。「ヒノキだY、H、サワラないで!」と駄洒落のように木穴線の形を覚える。
コナラ 木肌が横から見て片仮名のコの字のようになっており、やわらかい。葉の先が丸い感じ。
クヌギ 木肌が横から見てくの字のようにとがっているので触ると痛い。葉が長い。「コナラのコの字、クヌギのくの字」と覚える。

若い木と中年の木と老年の木と、同じ木でも様子が変わってきます。もちろん、植えられている場所によっても違います。個体差があるので、すぐにこの木はこれだ!と思ってもよく観ると違うことがあり、思い込みはいけないと何度も思いました。

「みんなのどんぐり林マップ」にもありますが、小さなオトシブミたちにも会いました! エゴノキには、エゴツルクビオトシブミとヒメクロオトシブミのゆりかご(落とし文)がいくつもぶら下がっていて、面白かったです。10665_468796823203929_1943901460_n

大きなイヌザクラの根元に、小さなエノキやヤツデやシュロ、アオキが生えていました。イヌザクラの木に止まって鳥が糞をし、糞の中の種から、芽が出る。木があり、鳥が来て、糞をする。生き物と植物のつながりが目に見えるようです。

ヤマザクラの葉の元には蜜腺があり、アリを呼ぶ。アリが木を巡回するので、他の害虫が来ないそうです。また、ヤマコウバシの葉はクスノキのようないい香りがして、防虫効果があるけれど、アオスジアゲハはヤマコウバシが大好きだとか。特定の木と昆虫の関係、共進化のお話も面白くうかがいました。

どんぐり林には、どんぐりの木がたくさんあります。日本には常緑樹と落葉樹のどんぐりの木が混在していて、種類も多く、外国ではそれが大変珍しく、「Oak(樫の木)の大国」と言われるほどだそうです。マテバシイやスダジイのどんぐりはとっても美味しいそうです。

そして、観察会の後は、調査をしました。林を遊歩道から東側をエリアに分けて、地図に一本づつナンバリングして書いていきます。そして、別のシートにその番号の木の名前を記しました。一日では終らず、また後日に調査をすることになりました。地道な作業です。998891_468796826537262_1869780838_n

私は、小さい頃から鷹の台で育っています。中央公園の前身、蚕糸研究所の跡地であった時は、イチョウ並木の間でいろいろな遊びをしていましたが、この林ではあまり遊んでいませんでした。大人になって、自分の子どもと一緒にプレーパークでこの林で遊ぶようになって、そして、様々な観察会に参加して、なんて豊かなところなんだろうとあらためて知ることができました。林があることで、防音、防風、防火、温度調節、水量調節、水質を良くすること、貯水、やヒーリング効果、様々な効果があること、、、。ちむくいたち(ちいさな、むしや、くさや、いきもの)の営みがずっと続いていること、土の中に居る様々ないのちにも思いをはせる一日となりました。失ってから気付くのでは遅いのです。