お久し振りです。どんぐりの会のカイコです。
私は小平市市民学習奨励学級「大人だって知りたい!~生きもの博士と歩く玉川上水の自然」の第2回「発見!土の中の生きものたち」鈴木利博さん(小平ユネスコ協会)の回に参加いたしました。鈴木利博さんは津田公民館のジュニア講座「親子で玉川上水ウォッチング」でホタルについて面白いお話をしてくれた先生です。そのことはどんぐり通信4号にも書いてあります。
第2回の講座の日はあいにくの雨で、本来予定していた中央公園横の雑木林に出かけ、そこの土を自分たちで採集することはできませんでしたが、鈴木先生がもしもの雨のために雑木林の土を公民館に持ってきてくださいました。
そして、参加者は班に分かれて、その土の中にどんな虫がいるのか、肉眼や、虫眼鏡、顕微鏡で調べるのです。
虫といっても、地味~な虫ばかりですが、この地味~な虫がいかに土壌を豊かにしているのか。この虫たちのおかげで、落ち葉や動物のふん、死骸が小さく砕かれて養分となり、樹木の栄養になり、おいしい空気をつくってくれたり、豊かな緑や、木の実になったりという、とっても大事な虫たちなんです。
センチコガネ
そして、大人ばかりが大盛り上がりしたのは、土の中の動物たちによる雑木林の自然度判定を各班で競ったことです。
競うというのは、例えばオオムカデや陸貝が見つかれば、5点。ミミズやゴミムシなら3点、クモやダンゴムシなら1点。とその虫によって点数が違うのです。これはその虫がいると自然度が高い土ということになります(虫が点数の違う3つのグループに分かれていて、合計で高い点数になるほど、自然度が高い)。
よくできました!
そして、競ってみんなでいろいろな虫を発見し記録します。最後にすべての班で見つけた虫を(数ではなく種類)トータルしました。この時間で見つかったすべての種類を足すと50点!! とにかく先生もこんなに盛り上がるとは!とびっくりするほど、スタッフとして参加していた私もアツくなり、津田公民館の講座室は熱気ムンムンになりました。
300年以上つづく目黒の森(国立科学博物館付属自然教育園)は、この自然度判定で65~70点だったそうです。中央公園の雑木林が50点というのは、なかなかいい林であるということですよ、と鈴木先生はおっしゃっています。
今日のタイトル「生き物をはぐくむ土壌」は4月27日の東京新聞「地域と環境・自然のちから」香坂玲さんの文章より拝借しました。この記事を以下に記します。
「自然のちから」の中でも、命のインフラというのにふさわしいのが土壌であろう。都市で生活していても、水の浄化、集中豪雨時などの貯水、食べ物の栽培で恩恵を受けている。リハビリや更生のプログラムの中には土に触れ、耕すことで精神的な癒しの作用を利用しているものもある。
土の中にはたくさんの生きものがすんでいる。細菌やミミズなどは、落ち葉や動物の死がいを食べて分解し、土に栄養分を持ち込む。ミミズは動き回ることで土の中に空気のポケットをつくる。そのポケットが、雨水をためたり放出したり、空気を入れ替えたり、微生物のすむ場所になったりする。雨が降ったり、干ばつになったりと、外の世界で急な変化が起きたときにも、この水分を調整する機能がクッションの役割を果たしている。
もっと大きなエネルギーや物質の循環の中では、山や森から溶け出した土壌の成分が川に流れ、川底に栄養をため、水草を育て、魚がすめる環境を創出している。
「山は海の恋人」といわれるゆえんだ。
ただ、熱帯雨林などの土壌は非常に薄い層であることが多く、一度流されてしまうと、元に戻すことは非常に困難だ。”地球の皮膚”である土壌もスキンケアが必要な時期に来ており、国際自然保護連合(IUCN)などは土壌の保全のための世界条約が必要と主張している。
今日はいいお天気で、第3回「身近な植物からのメッセージ」内野惠さん(自生野草を守る会)の講座も無事終了しました。またどんぐりのメンバーがブログにご報告いたしますね。お楽しみに!