こだわり人物伝 宮沢賢治 はじまりましたね。

NHK教育テレビで 『こだわり人物伝 宮沢賢治 未来圏の旅人』(全4回) はじまりました。皆さんはご覧になりましたか?私はビデオに撮って(まだブルーレイを持っていません。)しっかり拝見しました。第一回目は宗教学者の山折哲雄さんがお話しされていました。山折さんは元旦の東京新聞に作家の宮内勝典さんと「生き方」考 新春対談をされていました。

その中で宮内さんが「地球的に考え、地域的に行動する」という言葉がありますね。それを自分なりに言いかえています。「惑星的に考えながら、それぞれが自分の持ち場でベストを尽くすしかない」と。と仰っています。

「地球的に考えて、地域的に行動する」そんな言葉を私は知らなかったのですが、今やっているどんぐりの会やプレーパークの活動はまさにそうだなぁと元旦から背中を押してもらえたような嬉しい気持ちでした。

さて、賢治さんのお話に戻ります、山折さんはこだわり人物伝の中でお話しされているのですが、花巻出身で賢治さんのお家ととっても近いところで育ち、ご家族同士親交があったそうです。賢治さんは法華経から日蓮宗へいたったといわれているが、クリスチャンである斎藤宗次郎とも交流が深く、町の有力者であるお父さんが熱心な浄土真宗だったので仏教講習会を開催し講師としてたびたび訪れた暁烏敏(あけがらすはや)の身の回りのお世話を少年時にしていたそうです。いろいろな宗教に触れて実践している。そして、よき理解者である、妹トシの死から一年後に青森から北海道・樺太に旅をします。その時に挽歌(死者を偲ぶ歌)をたくさん書いている。その詩を読むと、旅で出会う景色の中に妹の魂を求めているこのような宗教感は、浄土真宗、日蓮宗、キリスト教という成立宗教よりはるかに原始的で根源的なもの、もしかすると万物すべてに命が宿っているそんな感覚で‘‘魂呼ばい‘‘(たまよばい)という原始的な宗教感情に突き上げられての旅をしていた。結局宮沢賢治の宗教経験の一番の根源的なものになっていたのは「万物に命あり」ということなのではないだろうかと仰っています。

東京新聞の対談にも山折さんは「自然との一体感再評価する時代」「宗教民族超えて多神教的寛容へ」と説いています。そして日本人は無という言葉が好き、無私、無常、つまり無の世界というのは何か奥深いものがある。セクトとか教会、寺とかを乗り越える、かなたにある理想的な世界が無というわけです。西洋人にとっては単なる虚無ニヒリズムの思想だろうが、すべてののものを包み込む一種の包容力、柔軟性みたいなものを表した言葉だと思う。とも書いてあります。

クリスマスを祝いお寺で除夜の鐘をつき初詣に行く!私もそんな日本人です(笑)もっとそのことに今年は誇りを持とう!と思います。

是非まだこの放送をご覧になっていない方は再放送をご覧くださいませ。

再放送 1月12日 AM5時35分~AM6時00分(教育テレビ)

本放送  毎週水曜Pm10:25~10:50     再放送は翌週水曜日am 5:35~am6:00

その後中村桂子(生命誌研究者)、藤原真理(チェリスト)、ロジャー・パルバース(作家、劇作家、演出家)のみなさんが賢治さんについて語られます。今後も楽しみな番組です。是非お勧めします。