園庭・校庭の放射線測定を求める請願:経過報告

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  • 全小中学校、保育園・幼稚園の校庭・園庭を測定してほしい
  • 測定器を小学校に各1台+市役所に数台購入してほしい
  • 測定器は市民に貸し出してほしい

という内容の請願について、こちらのブログでご協力をお願いしておきながら、6月15日の生活文教委員会のご報告が遅れ、大変申し訳ありません。

生活文教委員(市議)の方たちのご意見は、おおむね測定には賛成で、給食の食材や土壌、プールの水の測定はこの請願には含まれないのか、という積極的なご意見も多かったのですが(今から入れられるものなら、入れたいところです!)、「全校測定」「市民への貸し出し」などの点で、全員から賛成を得ることはできませんでした。短時間で全委員に賛同を得られるよう調整できなかったことは、こちらの準備不足でもあり、残念でした。この請願は継続審議となり、8/23に再び生活文教委員会で審査される予定です。引き続き、署名にご協力くださいますよう、どうぞお願いいたします。

市の方針として示されたのは、

  • 測定器は都が1小、2小での測定に用いた日立アロカメディカルか同レベルの5-60万円の機種を1、2台購入したい。
  • 市内数ヶ所の測定を考えている。
  • 購入まで時間がかかるので、それまでの間は一校につき約4万円で業者に測定を委託したい。
  • 東京都の貸し出し用測定器DoseRAE2は借りたいと思っている、市民への貸し出しはしない。

というものでした。

そして、昨日になって、小平市は、7月からの測定の方針をホームページで発表しました。

  • 空間放射線量の測定を月1回、一小、二小、五小、上水中、大沼保育園、上宿保育園で行う。
  • プールの水の放射性物質測定を八小、十二小、萩山公園プールで行う。
  • 東京都から借用する小型放射線測定器(1台)については、希望する学校、保育園、幼稚園などの施設管理者に貸し出す予定

とのことです。

測定の開始自体は歓迎すべきもので、多くの保護者や市民の方たちが声をあげ、また、2445人もの方が署名してくださったことの成果だと思います。ただ、この予定を見るかぎり、私たちが求める測定と行政の考える測定の間にはギャップがあるのを感じます。

定点の測定も大切ですが、濃度が高く、対策が必要な場所が市内にないかどうかを調べる測定が、早急に必要だと思います。そのためにはDoseRAE2レベルの簡易の測定器を複数台購入して、市内の子どもに関わる全施設を測定し、気になる結果が出た場合には、土壌や水質の調査を(委託ででも)行う、というような柔軟な体制が望まれます。また、福島第一原子力発電所の事故に収束の見込みがない現状では、状況判断のためにも、機動性のある測定+公開の体制が必要です。月一回の測定では、その参考になるデータを期待することはできません。

市は高価な測定器を購入し、しかも6ヶ所しか測定しないという方針です。月1回6ヶ所の測定のために5−60万の測定器を購入するとは、なんてぜいたくな、もったいない話だろうと思ってしまいます。簡易の機種なら業者に測定を2回委託する金額で購入できます。

実際に、小平市議会議員さんたちのDoseRAE2(都が市に貸し出した小型放射線測定器と同機種)での校庭測定に同行させていただきましたが、現状では、気になる場所を測定できることで、どんなに不安が解消するかを実感しました。

また、市民による測定とその地図化は、インターネット上で勢いを増しています。それがパニックのもとになるという懸念もあるようですが、政府や行政が必要な情報を出さない現状では当然の流れで、これを止めることはできないでしょう。ただ、機種による数値の違いが無視できないのは事実で、自治体が市民への測定器貸し出しを行うことは、統一機種での比較できるデータの蓄積を可能にします。市民への測定器貸し出しについては、埼玉県八潮市、福島県本宮市など、すでに事例が出てきています。

群馬県藤岡市のひかり保育園の報告には、測定結果の評価と対策のための園の動きが丁寧に公開されており、一つの保育園でここまでできるのかと驚きを感じましたが、それだけ現場での判断が重要性を増しているのです。独自の被曝限度を設定した埼玉県川口市、千葉県野田市のような事例も出ており、自治体単位での判断の差は、市民の安心ばかりでなく、安全を大きく左右する事態になっています。

ぜひ、お近くの市議会議員の方たち、環境保全課や教育委員会などの担当課に考えや思いを伝えてください。請願を審議する小平市生活文教委員会の構成は以下のようになっています。

委員長        木村まゆみ
副委員長    川里春治
委員         浅倉成樹
委員          小野こういち
委員          小林洋子
委員          坂井やすのり
委員          平野ひろみ

校庭の放射線測定を求める会
尾川 直子

追加署名は8月20日まで引き続き集めます。お手数ですが、用紙に記載している請願者住所までお送りください。代筆の場合は印鑑が必要です。用紙はこちらからダウンロードしていただけます。
http://bit.ly/k847Sa


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