こんにちは、ピッピです。
季節は11月も半ばをすぎ、玉川上水は落葉が進んでいます。
大分時間が経ってしまいましたが・・・・・、
10月27日の市民学習奨励学級「大人だって知りたい!玉川上水の自然」の報告をします 。
第3回目は「身近な植物からのメッセージ」というタイトルで
玉川上水の樹木の花や実、
そして木の下に可憐に咲いている花を観察しました。
先生は、植物博士のようになんでも詳しい内野恵さん。
好きが高じて植物にまつわる様々なことにも知識が深くなったそうです。
はじめに津田公民館で、玉川上水の食物連鎖の話をしていただきました。
よく見かける食物連鎖を表した生態系のピラミッドの図。
その頂点はオオタカであることが多いですが、
玉川上水近辺ではオオタカと同じ猛禽類のツミなのだそうです。
キリキリコロコロと鳴くカワラヒワや雀を捕まえては食料にしているのを
よく見かけるそうです。
前回の鈴木さんも話された生態系での生物達の役割分担である「分解者」、「生産者」、「消費者」の話もされました。
生物の死骸や落ち葉などを細かくする土中の小動物や微生物は分解者です。分解者は生物が育つ豊かな土を作ります。
その土に育つ植物は、太陽のエネルギーと水と二酸化炭素で光合成をおこない、
栄養分と酸素を作る生産者です。
そして、その植物を食べる草食動物や、草食動物を食べる肉食動物は消費者です。
この3者の絶妙なバランスで生態系は維持されています。
生態系のピラミッドの土台の分解者の領域が小さくなれば、それに比例して生産者も消費者の数も減り、頂点にいた猛禽類は命を維持できなくなってとこかへ行ってしまいます。
そんなことを頭に入れたあと、玉川上水を鎌倉橋から一位橋の先まで歩きました。
台風一過のさわやかに晴れ渡った空、心地よい風が木々の間を通り抜けていきます。
花が少ない季節ではありますが、内野さんの説明を聞きながら植物を見ると、みんなとっても個性的。植物も自己主張しながら生きているんだ!と思います。
そばの花のおしべの赤い色、ウメモドキの赤い実、つゆ草の黄色い雄しべに見えるものは、実は仮雄しべでつゆ草は自家受粉をしているらしい。
注意して見ると葉っぱのつき方、その形は木によって様々。自然てどうしてこんなに細やかでバラエティに富んでいているんだろうと感心します。
そしてその働きは巧妙にしくまれていて・・・
カラスウリはスズメガに媒介してもらうために、ススメガが活動する夕方に花を咲かせるのだそうです。
また、植物の種はそれを食べる鳥によって運ばれ、繁殖していきますが、
鳥が食べた種は傷がついて発芽しやすいのだそうです。
自生野草ゾーンで
ナンテンハギ。 教えてもらった名前をすぐに札に書いて植物につけて行きました。
講座で学んでいくうちに、玉川上水で生息している土の中の小動物、植物、鳥達はみんな繋がってそれぞれの命を紡いでいること、その命の連鎖が少しずつわかってきました。
また、塊としての生態系がいかに大切かということも。
これまでの3人の講師の方達はそれぞれの言葉で、玉川上水の命のにぎわいについて語っていました。内野さんは、「玉川上水の緑の回廊が動植物の命を守っている」といいます。
いままで気がつかなかったけれど、見えないところでたくさんの命が紡がれている。
その大いなる自然営みを包みこむ深い緑に玉川上水を訪れる人の命も呼応して、
ほっと癒されるのかなと思いました。
自然はすごいなあ。
偉大だなあ。
そんなところに道路を通すなんて、なんと愚かな行為と思えてきます。
そして、「大人だって知りたい~!」気持ちはますます強くなっていきます。