小平中央公園雑木林 樹木調査 中間報告

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自然観察指導員の高野丈さんより先日の樹木調査の中間報告が届きました。9日と15日にも調査をして下さった結果です。高野さんの文章をそのまま載せさせて頂きます。
小平中央公園雑木林 樹木調査 中間報告
どんぐりの会および自然観察指導員東京連絡会有志は、都道3・2・8号線整備によって壊され、失われようとしている小平中央公園の雑木林の毎木調査(全ての樹を識別、確認するもの)を実施しています。調査は玉川上水部分以外の雑木林部分をすべて終えたところですが、実に890本もの樹木を確認しました。その内訳は以下の通りです。
コナラ 156本
エノキ 103本
ヒノキ 92本
エゴノキ 77本
イヌシデ 71本
ヤマグワ 63本
ムクノキ 38本
アカシデ 28本
アジサイ 23本
サワラ 21本
イヌザクラ 17本
ムラサキシキブ 16本
マユミ 14本
ヤマザクラ 14本
コウゾ 13本
トウネズミモチ 13本
ミズキ 12本
ヒサカキ 10本
ヌルデ 9本
クヌギ 8本
シュロ 8本
ノイバラ 8本
ケヤキ 6本
ツツジ類 6本
モチノキ 6本
アオキ 5本
ヤブツバキ 5本
ネズミモチ 4本
ヤマブキ 4本
ガマズミ 3本
ニワトコ 3本
ヤツデ 3本
ヤマコウバシ 3本
ユズ 3本
イチョウ 2本
イヌツゲ 2本
カマツカ 2本
コブシ 2本
サンショウ 2本
ニガキ 2本
ビワ 2本
ウメ 1本
カクレミノ 1本
クチナシ 1本
コマユミ 1本
ゴンズイ 1本
サザンカ 1本
シラカシ 1本
ソヨゴ 1本
トウカエデ 1本
ナツグミ 1本
ナンテン 1本
計890本
これらに加え、まだ玉川上水部分の樹木があり、現在調査中ですが、総て合わせると樹木は1000本程度になると思われます。
一部を残し、これらのほとんどが都道整備によって失われます。失われるのは樹木だけではありません。樹木につながっている生き物、微生物、菌類、昆虫、鳥類など生態系そのものが一緒に失われることになります。
「移植します」「緑豊かな環境施設帯を創出します」というのは言い訳やパフォーマンスに過ぎません。そもそも街路樹というのは樹木にとって劣悪な環境であり、コナラやイヌシデのように他の生物と一緒に生きている雑木林の樹木は街路樹には向きません(耐えられません)。現代都市の道路行政や開発は、このようにして少しずつ、少しずつ身近な自然環境と生態系を損ない、生物多様性を乏しくしています。かつては当たり前に観察できた生物が希少になった例は枚挙に暇がありません。どんぐりの会と私たち自然観察指導員は、引き続き調査を進め、正式な報告と提言をまとめたいと考えています。
zoukibayashi

 


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