初めに、玉川上水のなかを歩いて写真撮影されている写真家・加藤嘉六さんから、玉川上水のノリメンについての「体験に基づく貴重なお話」がありました。参加者は、片道2時間かけてこられた方や、途中から参加した子どもたちも入れると、15名と大盛況。
1つめ まず林の南側のノリメンから観察。ここはヤマユリが沢山生えていて、美人ノリメン「ゆりちゃん」と命名。水墨画のようだとしきりに声が。子どもから「チーズの岸」。
ノリメンの名前だけでなく、日の当たらない南面は、霜が出るたびに崩壊し、北面よりもかなり痛んでいるなど、様々な話が飛び交う。第一スポットからなかなか進まず無理矢理に次のノリメンへ。始めは、本当に手探り状態。
2つめ ここは上の岸に笹が茂っており、なんだかもしゃもしゃしている。壁が板チョコのようでもある。ノリザエモンと言う名前を少しもじって、「モシャエモン」がいいかな、、と。それを言った若人は、玉川上水が庄右衛門・清右衛門兄弟によって作られた事を知っていたのか?
3つめ ここは、「雄大だな~」「ユウダイだな~」の繰り返しで、誰も良い名前を思いつかない。「雄大すぎたノリメン」。
4つめ 水車通りとの交差点をちょこっと入ると小さな橋がある。そこから覗くと、なんとノリメンが妊娠していた。「オメデタノリメン」がよいか。ここから、ノリメン妖怪が生まれるらしい。
5つめ 先ほど「雄大だ~」としきりに言っていたのだが、さらに雄大だったので、「ノリメン大王」と名付ける。その他ノリメン将軍、ノリメン大名(江戸時代的にと思ったが、何かしっくりいかない)。
6つめ でました「かろっきー」! グニャグニャ横に這い伸びる、でっかいケヤキの巨大根っこ。写真家・加藤嘉六さんの写真にも撮られた、この木には、いつしか「かろっきー」という愛称が。別名「がんばり根っこ」。ここのノリメンはお白粉をはたいたみたいだったので、「お化粧ノリメン」。
7、最後は栄光橋の下。橋の下で、雨がかからないから、何も生えていない。なので、ノリメン観察するには絶好のスポット。しかし、これは健全な姿ではない。乾燥しすぎると、壊れるので、上にスプリンクラーがいくつかある。ここから夜中の3時に水が出ると言う噂だが、ある市議がその時刻に見に行った所、水は出ていなかったとか。ここのノリメン、「橋の下ノリメン」「坊主頭ノリメン」とでたが、やっぱり極めつけは「つるっぱげノリメン」でしょう。
途中、木の根っこのそばに1,5㎝程の穴があり、すっぽりとそのなかに収まる蝉の幼虫が、羽化しようと穴から出てくるところだった。みんなが覗き込む。
さっさと歩くと、10分程で歩ける距離を、気がついたら、2時間かかっていた。予定では折り返し、冷たいお茶と敷物の準備してある林で、ノリメン談義をしようと思っていたのだが、橋の下で終了、解散。「いや~、楽しかったな~玉川上水が身近に感じられる様になったよ!」と言う言葉に、企画者はほっと胸を撫で下ろした。
(S)