人と人をつなぐ人・大西暢夫さんの写真展『家族の軌跡—3.11の記憶から—』のご案内です。
大西暢夫さんの写真展が7月6日(月)~12日(日)まで鷹の台であります。
私は大西さんとは今から25年以上前にご縁あって、ポレポレタイムス社でお会いしたのが初めでした。
その後も、小平から都内に行くときには、時々東中野のポレタイにお邪魔して、ポレタイの社長で写真家・映画監督の本橋成一さんや大西さんとお話をしたり、一度写真を撮って頂いたこともありました。
懐かしい若いころを思い出していますが、今から8年前の夏、鷹の台の雑木林で夏の連続5日間プレーパーク「森で遊ぼう!」の最中に大西さんの映画作品「水になった村」のチラシを持つ女性が林に出現しました。
「その映画、私の友達の作品だよ」とその人に声をかけると「あら、私も知り合いなの」と話が盛り上がり、話はちょっと飛びますが、その日にその人と「オッベルと象」の朗読をする約束までしてしまいました。
その女性が、その後、一緒にどんぐりの会をすることになる尾川直子さんでした。
尾川さんは国分寺で映画を観る会に所属していて、その会主催の上映会のために候補作品の試写会があり、その中に、小林敏也さんの画の「オッベルと象」も入っていたのでした。
結局上映会の最終選考作品は本橋成一さんのスライド「ナージャ希望の村」となりました。しかし、その出会いから、月夜の幻燈会が始まっていると言っても良いかもしれません。
幻燈会はお蔭さまで12回目を迎えることができましたが、その話をすると長くなるので、その後のどんぐりの会のことはお時間のある方、ご興味のある方はブログをさかのぼってご覧になって下さい。話は現在に戻りますが…
尾川さんのお連れ合いのY氏は大西さんの仕事仲間でもあり、Y氏はすでに大西さんの映像報告会を沖縄で観ていました。そのY氏が中心になって、大西さんの写真展と上映会を私たちの生活の場でできないか?と模索してきました。
今年3月に国立のカゴアミドリで大西さんの『家族の軌跡』上映&トークがあり、Y氏と尾川さんとどんぐりの会のGちゃんと一緒に参加しました。大西さんの現地の方に寄り添い話をすることを繰り返す中でできてきた関係だからこそ、カメラの前の方が見せる表情、口にする言葉がその映像にはありました。震災のことを4年経ち平気で忘れることができる自分と、忘れたくても忘れられない、そこが生活の場である現地の方とが大西さんという存在によって、まるで隣で息をしているようにつながった時間でした。多くの方とこの想いを共有したいと思いました。
カゴアミドリでの上映会とトークを拝見し、2011年に閉店した鷹の台の文化スポット、松明堂ギャラリーの店主松本さんにお手紙を書いてご相談したところ、被災地の為につながるならと承諾して頂き、今回鷹の台で開催できることになりました。
松明堂ギャラリーには若い時からよくお邪魔していて、一時期アルバイトもさせて頂いていたこともあり、そのギャラリーが期間限定でオープンというのは本当に嬉しい限りです。
写真展は38点展示。宮城県東松島市以外のものが多く、映画は東松島市の記録になっています。60回以上被災地に通い、東松島市以外も訪ねながら、必ずと言っていいほど、東松島市を訪ねたそうです。ポスターやチラシになっている写真は、津波で母親を亡くした姉弟が、まったく近づかなかった海にはじめて行った時の作品です。
どんな写真に出逢えるのか、それを観て、今の自分がどう感じるのか、怖い気持ちがあります。重たい気持ちです。でもそれは現実であり、そしてそれは命の重さでもあり、大西さんの写真には重さだけではなく命のぬくもりもきっと感じられると思います。
被災地に行くことがなかなか叶わなくても、自分たちの生活の場で感じ想像することができます。想いを寄せることをこの写真展と映画がお手伝いしてくれます。
写真展は入場無料です。
上映会&トークは入場料1,500円、中・高生1,000円、小学生以下は大人1名につき2名まで無料です。
大西さんが自費出版している『東方沿岸600キロ震災報告』(震災後東海村~久慈市までを取材し、岐阜新聞に連載された記事をまとめたもの)と『3.11の証言 心に留める東日本大震災 震災報告Ⅱ』(東松島市の方の証言、岐阜新聞に連載された記事)の2冊の冊子付です。
経費をのぞいて大西さんに託し、今後の取材や被災地に役立てて頂きたいと思っています。
沢山の方のお越しをお待ちしています。会場で被災地へのカンパも受付けています。
なお上映会は両日80席ご用意していますが、松明堂ギャラリーは床がフラットな為、前方のお席の方が映画は観やすいと思います。予約順にご入場いただきますので、日時の決まっている方はご予約をお早めにお願いします。
※予約フォームはこちらです。http://kodairar.com/?page_id=19
どんぐりの会・家族の軌跡鷹の台写真展実行委員会 永添景子