玉川上水の調査を求める署名のこと

どんぐりの会が賛同団体になっている玉川上水の署名について、先日の月夜の幻燈会『セロ弾きのゴーシュ』終演後にお話しした内容を投稿します(一部加筆修正しました)。


月夜の幻燈会では、静かな雰囲気の中で幻燈会を始めたいということで、開演前の署名活動はお断りしてきました。ところが、今回の幻燈会では、入口にのぼりを立てて小さな署名コーナーを設置しました(市に署名活動の許可は取りました)。

玉川上水の調査を求める署名活動が始まっています。どんぐりの会も署名の賛同団体になっています。 幻燈会会場のすぐそばに柵がありますが、ここに36メートル幅の、小平で一番大きな道路が通る計画です。道路が通ると幻燈会はできなくなります。

この林は玉川上水とつながったような林です。玉川上水は、山と都心をつなぐ水と緑の一本の道になっています。市民が調べてみると、思ったよりもずっと多くの生き物が住んでいる場所だということがわかってきました。そこで「ちょっと調べてみてよ、ここはいい場所なんだよ」という署名活動を始めました。

いきもののことを調べてきた研究者の方たちや、作家の方などがたくさん賛同人になってくださっています。賛同人のメッセージには玉川上水のことが「東京にある数少ないオアシスのような場」「首都の森に生命を注ぐ、まさに唯一無二の大動脈」「大都会東京の生き物たちの逃げ場所になっています」などと書かれています。

玉川上水の中でもいきものが一番たくさんいる場所の一つが小平のあたりです。史跡の玉川上水の法面もよく残っている小平市の玉川上水ですが、そこに36m幅の道路が通ることでどうなってしまうのか。

玉川上水はこのまま放っておくと、60年以上前に作られた計画でどんどん分断されていきます。一番いい場所の一つが道路になるという時に、何か声をあげたい、子どもたちに何もしなかったと言われたくないという女性たちの声を聞いて、私も何か意思表示をしたいと思いました。何回も何回も何時間も会議を重ねて署名の文章を作りました。

皆さんに署名を広げていっていただきたいと思っています。この道路の建設の前に調査をしてほしい、都知事に来てみてほしいという署名内容です。とてもたくさんの署名が集まらないと何の意味もないかもしれないけれど、多くの人たちがすでに一緒に署名を集めてくださっています。玉川上水や林のいきものも味方して、大きな動きになりそうな気配を感じています。

幻燈会を続けていくためにもぜひお力をお貸しください。 (第26回月夜の幻燈会『セロ弾きのゴーシュ』終演後の挨拶を一部加筆修正しました) 署名の案内を掲載したちむくいのページはこちらです。
https://t-ramsar.jimdofree.com/%EF%BD%88%EF%BD%8F%EF%BD%8D%EF%BD%85/%E7%BD%B2%E5%90%8D/

第26回月夜の幻燈会『セロ弾きのゴーシュ』にご来場ありがとうございました

雨が続くなか、6月1日(土)第26回月夜の幻燈会『セロ弾きのゴーシュ』無事に開催することができました。

ご来場のみなさま、スタッフのみなさま、お心を寄せてくださったみなさま、ありがとうございました。

今回は開演時間を間違えてしまい、皆さんをお待たせして申し訳ありませんでした。日が暮れていくなかでの幻燈会となりました。ご感想など、お寄せいただけると大変うれしいです。

この林ならではの月夜の幻燈会を秋にもまた開催できますように。どうぞ応援よろしくお願いいたします。

今回は、加藤嘉六さんが撮影してくださいました。

第26回月夜の幻燈会『セロ弾きのゴーシュ』2024.6.1

作:宮澤賢治
画:小林敏也
朗読:鍵本景子
笛:植松葉子
パーカッション:入野智江

第26回月夜の幻燈会『セロ弾きのゴーシュ』は、賛同金と投げ銭で運営しています。賛同人のみなさんのお名前はこちらで公開しています。

本日幻燈会あります!

良いお天気になりました。6時から少しお天気が心配との情報もありますが、準備は進んでいます。どうぞ林へお越しくださいませ。お待ちしていますね。

5月12日(日)こだいら環境グリーンフェスティバル2024 に参加します。

緑が美しい季節になりました。今年のグリーンフェスティバルは環境フェスティバルと一体になって「こだいら環境グリーンフェスティバル2024」となり開催されます。

どんぐりの会はメンバーが環境フェスにも参加している団体に所属している都合で、環境ゾーン(グラウンドの野球のホームベースあたり)に出展しています。美味しいクッキーやいきものバッチの販売、そしてフリマ的なコーナーも設けています。どうぞひやかしにいらして下さい。

6月1日(土)第26回月夜の幻燈会『セロ弾きのゴーシュ』のチラシも配布しています!

10時から15時まで開催です。

小平市のHPに詳細があります。

生き物の宝庫、史跡・玉川上水を未来の子どもたちへ

生き物の宝庫、史跡・玉川上水を未来の子どもたちへ

玉川上水はいきもののつながりをつなぐ水と緑の道。さまざまな市民団体が調査を重ね、その豊かさが具体的に見えてきました。

その実態を把握してほしいと新たに玉川上水の総合調査を求める署名運動がはじまりました。「生き物の宝庫、史跡・玉川上水を未来の子どもたちに」と呼びかけていますが、このまま放っておくとそれは叶わなくなりそうです。小平都市計画道路 3・2・8 号府中所沢線が建設されようとしているのも、もっとも景観のよい区域の1つです。

玉川上水がどんなふうに価値のある場所か、まず調べてほしい、都知事は視察に来てほしいと求めています。どんぐりの会も賛同団体になりました。できる限り多くの声を集めたいと思っています。オンライン署名も準備中です。署名へのご協力、どうぞよろしくお願いいたします。



署名用紙ダウンロード

下のダウンロードボタンをクリックすると署名用紙をダウンロードできます。A4とA3がありますが、内容は同じです。

■A4署名用紙2ページ)
2024玉川上水署名_A4.pdf
PDFファイル 315.3 KB
裏表一枚にプリントしてください。

■A3署名用紙(1ページ)
2024玉川上水署名_A3.pdf
PDFファイル 184.7 KB

■コンビニでもプリントできます
【ネットワークプリントサービス】
ファミリーマート、ポプラグループ、ミニストップ、ローソンのマルチコピー機でプリントアウト可能です。一色印刷で20円かかります。
ユーザー番号:UDF2WNNT8Q
白黒:20円
カテゴリー:文書プリント
用紙サイズ:A3
有効期限: 2024年05月31日 18時まで
ファイル名:2024玉川上水署名_A3.pdf


生き物の宝庫、史跡・玉川上水を未来の子どもたちへ

東京都知事様

 玉川上水の価値と道路計画

玉川上水は、江戸時代前期(1653 年)に江戸市中の飲料水不足を救うために造られました。多摩川(羽村市)から四谷大木戸(新宿区)まで 43km にわたり、歴史的価値が高いとされています。 玉川上水は 1999 年に東京都により歴史環境保全地域に指定され、同年「玉川上水景観基本軸(以下「景観基本軸」)」として守られることになりました。2003 年には東京の発展を支えた歴史的価値を有する土木施設・遺構として、開渠部 30km が国の史跡に認定されました。玉川上水のなかでも、特に小平監視所から小川水衛所跡までの 5km は、法面(水路の両脇の土の面)がよく残っており、優れた景観となっています。まさにこの部分に「小平都市計画道路 3・2・8 号府中所沢線」 (以下「小平 328 号線」)という幅36mの大型道路が計画されています。

玉川上水の生物多様性の豊かさ

東京都は2023年に「東京都生物多様性地域戦略」を掲げ、推進しようとしています。長年にわたる市民団体の調査により、玉川上水の野草(種子植物)は500種以上が記録されており、武蔵野の野草も多く生育して、市街地としては非常に豊かです。また、この道路予定地の前後1.2km だけで84種もの鳥類が確認されており、皇居(76 種)や明治神宮(94 種)に匹敵します。玉川上水は長いグリーンベルトであり、都心の生物多様性を支えています。玉川上水が生き物の宝庫である所以は、このグリーンベルトの連続性に他なりません。道路によって樹林が36m幅で伐採されれば、この連続性が断たれることになります。東京都による「景観基本軸」では、玉川上水を特徴的な景観が連続していることが重要であるとし、その保全の必要性を強調しました。景観を形作る基礎になるのは生態系で、その保全なくして景観の保全はありません。旧来の調査では個々の希少種の保全を重視し、また伐採しても影響は小さいとされました(「環境影響評価書(1-283-1)」2011年)。しかし生態系とそれを担う動植物をよい状態で残すには、保全生態学の考え方に立った「景観基本軸」と「東京都生物多様性地域戦略」に基づく調査が必要であり、私たちはそのような調査が実施されることを要望します。

市民にとっての価値

小平市にある玉川上水の緑道は、東西へ移動する生活の道として、また通勤通学路として、散策やジョギングの道として大勢の人が利用しています。また、近隣の幼稚園、小・中・高校、大学では活きた教材として自然観察や身近な歴史の勉強に役立てています。 玉川上水に隣接する雑木林(道路予定地)は、市民の散策や自然観察会はもちろん、シニアのゲートゴルフ、子どもの遊び場プレーパーク、幻燈会や映画上映会、彫刻展等の芸術活動と、広く利用されています。夏も涼しく、子どもが遊べる屋外の貴重な場所になっています。玉川上水と隣接の雑木林は、市民生活に密接した大切な自然です。

3つの価値と都知事へのお願い

道路予定地には、歴史的価値、生物多様性の価値、そして市民にとっての価値があります。失われた自然を元に戻すことはできません。私たちは未来を担う子どもたちに、玉川上水の水と緑を引き継いでいく責務があります。そのことを市民と東京都が協力して進めることを希望します。都知事におかれましては、ぜひこの場所を見ていただきたく思います。

都知事への要望
1. 「景観基本軸」と「東京都生物多様性地域戦略」にのっとった玉川上水の調査をしてください。
2. 「小平 328 号線」計画の現地を視察してください。
3. 「小平 328 号線」の建設を進める前に、上記1,2を実現してください。

呼びかけ団体
玉川上水みどりといきもの会議 代表 高槻成紀
地球永住計画 代表 関野吉晴
ちむくい(ちいさな虫や草やいきものたちを支える会) 代表 リー智子

署名送付先:187-0041 東京都小平市美園町 3-29-2 高槻成紀

第1次集約日 2024年6月30日